サンドビック株式会社 コロマントカンパニー

CFRPとTi合金重ね板穴あけ加工に最適化されたドリル刃形状の開発

技術分類:
[ 二次加工 ]
取扱商品:
[ 治工具 ]
キーワード:
[ CFRP/Ti合金重ね板 ] [ マイクロペッキング加工 ] [ 精度向上 ] [ 能率向上 ]

提案技術のポイント

CFRPとTi合金重ね板穴あけ加工に、マイクロペッキング加工に最適化された刃形状のドリルを適用することで、工程数を低減し、加工能率を大幅に改善しながら、同時に品質も向上させることが可能となった。

効果

*設備台数や工具種類の低減
*穴あけコスト、工具室在庫コストの低減
*ドリル寿命の延長
*穴径公差、面粗さの向上
*デラミネーション、バリの低減

従来技術

CFRPとTi合金重ね板穴あけ加工においては、各種弊害が見られる。
 *通常では下穴加工、リーマ加工を併せて3-4工程で加工を行っている場合が多く、多大な加工時間を要する
 *CFRPとTi合金といった異なる材料を同一工具で加工をする必要があり、切削条件を低く設定する必要がある
 *Ti合金の切りくずでCFRP表面がダメージを受け、加工面品質を確保するのが困難である
より大径の穴加工が増加の傾向にあり、改善が急務である。

《お客様からの要求事項》
 *サイクルタイム削減の為、使用工具数を低減する
 *一穴あたりの加工コストを削減させる
 *製品精度は確保したまま、加工能率を向上させる

新技術

CFRPとTi合金重ね板穴あけ加工に、マイクロペッキング加工とそれに最適化された刃形状のドリルを適用することで、一発加工化が可能になり、様々な効果を得られた。

マイクロペッキング加工とは、パワーフィーダやCNCマシン等の穴あけユニットに当該機構アタッチメントを取り付けることで、通常の切削送りと併せてドリル1回転あたり複数回の軸方向の微振動を与えて穴あけ加工を行う方法で、以下の特長がある。
《加工の特長と利点》
 *部分的に薄い切りくずが生成されるため、その箇所から分断
 *チタン/アルミ等のメタル部では細かい切りくずが生成、排出
 *切りくずによるCFRP表面の損傷抑制
 *低動力な加工が可能
 *潤滑油を刃先へ確実に供給

マイクロペッキング加工に最適化されたドリル刃形状を開発、適用することで、PCD刃先を欠損させることなく切りくずを細かく分断し、CFRPとTi合金重ね板の加工能率を大幅に改善し、寸法精度の向上を可能とした。

技術の展開・連携

開発進度 製品化完了(納入実績有り)
知的財産権 無し
共同研究者(役割) PRECORP INC. (USA Utah、サンドビックグループ)
(役割:PCD工具の製造、要素試験による製品性能評価)
活用例 *航空機の機体部品
技術課題・制約 ・パワーフィーダと固定治具や吸引装置とのマッチング、メンテナンス不足により加工が不安定になる可能性もある。マイクロペッキング機構アタッチメントのパワーフィーダ取付けに一部制約があり、適用に際し、別途特殊アダプタ化などの対応を要する。
・切削工具とアプリケーション技術の同時提案により、お客様の高能率加工に貢献していきたい。
必要な連携先 ・複合材加工を行っている、今後予定のある企業ならびに設備関連企業
・複合材加工の評価技術、設備を有する大学等研究機関
技術のWEBサイトhttps://www.sandvik.coromant.com/ja-jp/products/pages/tools.aspx

シーズの問合せ先

部署・担当者航空機推進部・四本(よつもと)
住所〒465-0025 愛知県 名古屋市名東区上社1-1801
連絡先 TEL: 052-779-8510

企業・機関概要

所在地〒465-0025 名古屋市名東区上社1-1801
連絡先 TEL: 052-779-8510 FAX: 052-778-5010
資本金・従業員数等2,600万円・350人
生産品目切削工具
主要取引先重工業、自動車、機械、素材関連企業
海外拠点AB SANDVIK COROMANT(スウェーデン)他
認証取得ISO 9001, ISO 14001, OHSAS 18001
企業・機関のWEBサイトhttps://www.sandvik.coromant.com/ja-jp/

更新日:2019年7月25日