名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻 松本研究室

機械構造物の形状およびトポロジー最適化技術

技術分類:
[ 製品設計 ]
取扱商品:
キーワード:
[ トポロジー最適化 ] [ 最適構造設計 ] [ 構造部材 ] [ 自動車部材 ]

提案技術のポイント

構造の体積を減らしつつ剛性を最大化する形状を最適化を最適化する技術、車室内・ホールなどの静音化や音響特性を最適化する音場形状の最適化技術、固有振動数が最適な値となるように逆に構造の形状を決定する技術、電場・磁場強度をコントロールする誘電体・散乱体の形状の最適化技術、金型キャビティーの温度をより高精度にコントロールするための3Dプリンタを志向した冷却管の形状や配置の最適化技術、圧力損失を最小化・最大化できる流路の形状・トポロジー最適化技術など、有限要素法・境界要素法・格子ボルツマン法をレベルセット法と組み合わせた高度な構造最適化手法を開発している。計算の過程で、構造をメッシュに分割し直しており、計算は高精度に行われ、得られた形状から3Dプリンター用のSTLデータは直接出力される。また、従来の方法では精度が低い固有振動数を最適化するトポロジー最適化も高精度に実行することが可能となる。

効果

従来技術

機械材料、構造物の形を機械材料・構造物の形を変更することでその性能を最大化する構造最適化に関する研究は古くから行われている。
構造最適化手法は(a)寸法最適化、(b)形状最適化、(c)トポロジー最適化に大別される。その中でも、トポロジー最適化は位相(穴の数)までを未知として設計案を計算することができるため、きわめて柔軟な構造最適化法として注目を集めている。しかしながら、従来の技術では、最初に考えている設計領域内に材料が満たされており、その材料の分布を有無を濃淡で表現するような方法がとられているため、実際には材料が存在しない部分にも材料定数を与えて計算する必要があった。したがって、材料分布の表面に力を課したりするような問題を解くことができないとか、振動状態の最適化を図るような際には固有振動数の値が実際の最適構造形状から異なる等の問題点があった。

新技術

本手法でも従来法と同様に、炭素繊維複合材も含む様々な材料からなる構造物にたいして、剛性、固有振動数など所定の条件を満足するように構造の形状を計算する手法に関係している。すなわち、有限要素法や境界要素法などの計算機によるシミュレーション技術を駆使した、構造物や空間の形状最適化を行う。この過程では、構造部の形状をまず仮定し、所定の効果を生むような方向に形状を修正しながら計算を繰り返す。従来法では、実は材料は初期の設計領域に充満しているものの、その密度が小さくなるというようなアイディアに基づいていたが、本技術では、レベルセット関数という関数を用いて、計算過程で実際に構造物が存在する部分を割り出して、その表面、ないし領域を有限要素法や境界要素法によるシミレーションに必要なメッシュに分割する点が新しい技術の一つである。また、シミュレーションを繰り返すために、ここの計算の無駄を避け、計算速度をアップする技術も開発している。この技術を用いれば、下記の様な分野で穴やキャビティの発生の有無を含む構造の形状やトポロジーの最適化を高精度に行うことができる。また、得られた形状は最初からメッシュに分割されているため、自動的にSTLデータとして保存でき、3Dプリンタで実際の構造を試作することも容易である。

技術の展開・連携

共同研究者(役割)
活用例 自動車シャシー部材の最適設計、構造物の剛性最大化、固有振動数の最適配置のための形状最適化、音場形状・音響デバイスの最適設計、電磁アンテナの最適設計、金型冷却管の最適形状と配置、流路形状の最適化
技術課題・制約
必要な連携先
技術のWEBサイトhttp://www.matsumoto.nuem.nagoya-u.ac.jp

シーズの問合せ先

部署・担当者機械システム工学専攻・松本敏郎、飯盛浩司
住所〒464-8603 愛知県 名古屋市千種区不老町
連絡先 TEL: 052-789-2780(松本)、052-789-2781(飯盛)
FAX: 052-789-3123

企業・機関概要

所在地〒464-8603 名古屋市千種区不老町
連絡先 TEL: 052-789-2780 FAX: 052-789-3123
資本金・従業員数等0円・0
生産品目
主要取引先
海外拠点
認証取得
企業・機関のWEBサイトhttp://www.mae.nagoya-u.ac.jp/ja/graduate/mech

更新日:2019年12月10日